高原社 蚕種(蚕の卵)製造販売 セリシン製造開発
 
高原社の取組-セリシン
セリシンのイメージ写真  

「セリシン」とは蚕の繭を構成している
重要な成分のひとつです。

セリシン

蚕の繭は「フィブロイン」と「セリシン」という2種類の蛋白質からできており、約4対1の割合で構成されています。フィブロインは繊維状の蛋白質で絹糸になりますが、セリシンは繭づくりの際にフィブロインを接着させ繭を形作る糊状の蛋白質です。このためセリシンは絹糸や絹織物にする工程で洗い落とされ廃棄されていたため、長年研究の対象からはずされていました。近年、多くの研究者によってセリシンの構造と優れた機能が解明され、多くの分野で注目を集めています。

繭糸の断面図
繭糸の断面

 

セリシンの機能

古くから製糸や絹織物工場の従業者は冬の水仕事でも、手肌がきれいであった事実が知られています。これは溶け出したセリシンが素手で作業を行っている人達の皮膚ケア機能を果たしていたからです。
これまでに明らかにされているセリシンの生理機能を大別すると次のようになります。
 

医薬品分野
抗炎症作用、皮膚癌抑制作用、紫外線による皮膚障害の抑制作用

食品分野
便秘改善作用、ミネラル吸収促進作用、 大腸癌抑制作用、血糖値抑制作用

化粧品分野
抗酸化作用、保湿作用、美白作用

繊維加工分野
接触皮膚炎(アトピー性皮膚炎)抑制作用

細胞工学分野
動物細胞増殖促進・保護作用

参考文献/  加藤範久 広島大学教授 セリシンシンポジュウム2004.7
「セリシンの生理機能の解明とその応用」
 

セリシンのアミノ酸組成

セリシンのアミノ酸組成(モル%)
グリシン
アラニン
バリン
ロイシン
イソロイシン
ブロリン
フェニルアラニン
シスチン
メチオニン
12.70
5.51
2.68
0.72
0.55
0.57
0.43
0.14
0.05
セリン
スレオニン
チロシン
アスパラギン酸
グルタミン酸
アルギニン
ヒスチジン
リジン
アンモニア
31.97
8.25
3.40
13.84
5.80
2.86
1.30
3.26
5.96
オキシアミノ酸(-OH基)
酸性アミノ酸(-COOH基)
塩基性アミノ酸(-NH2基)
極性側鎖をもつアミノ酸量
非極性側鎖をもつアミノ酸量
43.62
19.64
7.42
23.36
70.68
資料提供 独立行政法人農業生物資源研究所 昆虫生産工学研究グループ 新蚕糸技術研究チーム
 

論文等、セリシンに関する参考文献

山本俊雄ほか
カイコによる絹蛋白質セリシンの生産
BIO INDUSTRY, 20, 13−18 (2003)
間瀬啓介ほか
機能性を高めたセリシン繭を生産するカイコ品種
BIO INDUSTRY, 24, 53−59 (2007)
K. Mase et al.
A New Silkworm Race for Sericin Production,“Sericin Hope”and its Product,“Virgin Sericin”
Journal of Insect Biotechnology and Sericology, 75, 85-88 (2006)
H. Teramoto et al.
Preparation of Elastic Silk Sericin Hydrogel.
Biosci. Biotechnol. Sericol. Biochem, 69 (4), 845-847 (2005)
寺本英敏ほか
セリシンホープ繭層からの高分子量セリシンハイドロゲルの作製
日本シルク学会誌 : 日本シルク学会研究発表要旨集録, 13, 142-143 (2004/12/01)
寺本英敏ほか
セリシンハイドロゲルの物質吸着特性
日本シルク学会誌 : 日本シルク学会研究発表要旨集録, 14, 122-123 (2005/12/01)
N. Kato et al.
Silk protein, sericin, inhibits lipid peroxidation and tyrosinase activity.
Biosci. Biotechnol. Biochem., 62, 145-147 (1998)
加藤範久ほか
セリシンの新規機能性と化粧品および食品への応用 (特集(1)絹の新たな機能性を探る)
Fragrance journal, 28, 28-33 (2000/04)
加藤範久ほか
"レジスタントプロテイン"としてのそばタンパク質とセリシンの生体調節機能
日本栄養・食糧学会誌 Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science, 53, No.2 71-75 (2000/04/10)
加藤範久ほか
Fragrance journal, 28, 28 (2000)
加藤範久
セリシンの機能特性とその利用
製糸夏期大学, 54, 25-32 (2001)
M. Sasaki et al.
Food Sci. Tech. Res, 16, 280-284 (2000)
M. Sasaki et al.
Oncology. Rep, 7, 1049 (2000)
S. Terada et al.
Cytotechnology, 40, 3-12 (2002)
寺田聡
絹タンパク質セリシンの動的細胞培養への有効性 
Bioscience & industry, 60, No.10, 683-684 (2002/10/01)
寺田聡ほか
2C11-1 セリシンによる細胞増殖促進と細胞保護効果
日本生物工学会大会講演要旨集, vol.平成15年度, p.90 (2003/08/25)
小松計一
シルクへの招待
サイエンスハウス社, 東京 (1997)
庄司昭伸ほか
皮膚
41, 481-485 (1999)
坪内紘三ほか
特開
2002-128691 (2002)
栗岡富士江ほか
セリシン・クエン酸による綿布の加工
日本蚕糸学雑誌, 73, No.2/3, 83-88 (2004)
Y. TAKASU et al.
Isolation of Three Main Sericin Components from the Cocoon of the Silkworm,Bombyx mori.
Biosci. Biotechnol. Biochem, 66, 2715-2718 (2002)
浜岡容子ほか
セリシン加工綿布のUVカット効果
京都府織物・機会金属振興センター研究報告 No.36, 10-15 (2002)
山下佳孝ほか
実用的な高含水セリシンフィルムの作製とその物性
日本シルク学会誌 : 日本シルク学会研究発表要旨集録, 11, 178-179 (2002/12/01)
山崎昌良ほか
セリシンの抗酸化作用について
日本シルク学会誌 : 日本シルク学会研究発表要旨集録, 11, 174-175 (2002/12/01)
石田聖子ほか
セリシン蚕セリシンより得られた高分子量セリシンの構造と物性
日本シルク学会誌 : 日本シルク学会研究発表要旨集録, 13, 144-145 (2004/12/01)
Voegeli Rainer
セリシンの皮膚保湿・抗シワ効果 (特集/シワの成因と抗シワ化粧品の開発)
Fragrance journal, 26, 70-74 (1998/04)
伊藤啓ほか
米飯の食味と物性に及ぼす蚕糸セリシンの添加効果
年報, Vol.2000年度, 284-289 (2000), 飯島記念食品科学振興財団
 
 
 
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